最近、新聞やテレビなどで「ＳＤＧｓ」についてよく耳にされる方も増えてきているのではないでしょうか。少しずつ認知度は上がってきているものですが、今回は「SDGｓ」が何なのかと、掲げている目標をご紹介しつつ解説していきます。

SDGｓとは？？

SDGsとは「Sustainable Development Goals（持続可能な開発目標）」のことを言います。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、世界193の国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17項目の国際社会共通の目標です。

「持続可能」の意味

では、「持続可能な開発」とは、どういう意味なのでしょうか。

「持続可能」とは、将来の世代のための地球環境や資源が守られ、今の状態が持続できることです。

また、「開発」とは、すべての人が安心して、自分の能力を十分に発揮しながら満足して暮らせることを指します。

SDGsの2030年までに達成すべき17の目標とは

では、具体的にはどんな目標が掲げられているのでしょうか？各項目についてお話していきますね。

1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

世界中の、全ての形態の貧困を無くしていく事を目指した目標です。世界には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」という２つの貧困の形があります。「絶対的貧困」とは、1日約210円以下で暮らす状態の事をいいます。「相対的貧困」とは社会の一般的な水準より低い状況で暮らさなければいけない貧困の事をいいます。

２.飢餓をゼロに

世界中の人達が、十分な食事を取り、持続可能な農業を進めることで世界中の飢餓を終わらせることを目指す目標です。

今も世界の多くの子ども達は、栄養不良が原因で命を落としています。特に、途上国など、自分たちに身近な環境を用いて毎日の食事を得ている人々にとって、農業の生産量を増やすことは、飢餓や栄養不足をなくす為には、とても大切なんです。

３.すべての人に健康と福祉を

全ての人が健康で、安心して満足に暮らすためには、病気を予防したり、適切な治療を受けたりすることが必要です。

また、幼い子どもが本来予防できるはずの病気で命を落とすことがないようにすること、そして誰もが薬やワクチンを手にできるようにすることが必要です。

４.質の高い教育をみんなに

世界中の誰もが、無料で質の高い教育や職業訓練を平等に受け、全ての世代の人が様々な機会に学習できるようにするための目標です。

若者や大人がきちんと読み書き、計算ができるようにしたり、教育を受ける為に、安全で通いやすい学校設備を整えたりすることもこの目標に含まれます。

5.ジェンダー平等を実現しよう

全ての人が性を理由に差別されず、全ての女性や女の子に対する性的な人身取引を含むあらゆる種類の差別や暴力、搾取を、世界のすべての場所でなくすことを目指します。

また、無報酬の育児・介護や家事労働を認識し、女性や女の子が政治や経済活動の意思決定に平等に参加できることもこの目標に含まれます。

さらに妊娠と出産に関する女性の権利を守り、土地・財産などに関する女性の権利を確保するために法律やルールを作り変えることも、目標として掲げています。

6.安全な水とトイレを世界中に

全ての人が安全な水を使えるようにすること、適切な方法による下水処理やごみ処理などの衛生設備が整った環境で暮らせることを目指すための目標です。

野外での排泄をなくすことや、下水や衛生設備について女性や女の子、最も弱い立場にある人々のニーズに特に注意を払うこともこの目標に含まれます。

７.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

全ての人が、電気やガスなどのより新しいエネルギーを、安い価格で安定して使えるようにすることを目指す目標です。

電気やガスなどのエネルギーを持続して供給するためには、石油や石炭などのエネルギー源のみに頼らず、太陽の光や風、川を流れる水の力、など自然の力でつくる再生可能エネルギーの使用を増やすことが重要です。

８.働きがいも経済成長も

全ての人が働きがいのある仕事をし、環境を守りながら、持続可能な経済成長を進めることを目指す目標です。

この目標には、2030年までに、若者や障害者を含む、全ての女性と男性が、働きがいのある仕事に就くことと、子どもの心身に害を及ぼす労働には厳しい姿勢で臨むことが含まれています。

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

経済成長と健康で安全な暮らしの両方を実現するため、インフラを災害に強く、環境破壊をもたらさないものにする為の目標です。

インフラには水道や鉄道、ガス・電気、インターネットなどの設備やサービスが含まれますが、提供価格を安くし、全ての人が平等に使用できること目指します。

また、経済発展を進める際、製造業に従事する人の数を増やしたり、特に途上国において小規模の製造業への金融サービスの仕組みを増やすことも目標にしています。

10.人や国の不平等をなくそう

国と国の間、または国の中での不平等を減らすための目標です。国の中で所得が水準より低い人々の収入をより早く増やすことで、社会・経済・政治的な機会の不平等をなくし、特定のグループを差別するような法律や慣習をなくすことを目指しています。

11.住み続けられるまちづくりを

全ての人が水・電気などの必要なサービスを得られる安全な家に住み、スラムの状況を改善することた、子どもや女性、障害者、高齢者など配慮が必要な人々にとって、安全で安価で、かつ環境に配慮した交通機関や公園などの公共スペースをつくることを目指す目標です。

12.つくる責任 つかう責任

全ての国が、一人当たりの食品廃棄量を全体で半分に減らすこと、化学物質や廃棄物を大気・水・土壌に流れ出すことを食い止めること、３R（ゴミを減らし、再利用し、資源化すること）を促進することを目指す目標です。

13.気候変動に具体的な対策を

気候変動がもたらす危険や自然災害に対する備えを強化し、災害に強く、災害から復興する力を高めることを目指す目標です。

気候変動やその影響を止めるためには、すべての国が今すぐ行動を起こす必要があり、気候変動のための対策を国の政策や戦略、計画に組み込むことが必要です。

14.海の豊かさを守ろう

海の汚染の主な原因である人間の活動を改善し、海洋汚染を防ぎ、海の生態系に悪影響を与えないよう、健全で生産的で持続可能な海洋、および生態系の保護と回復を目指すための目標です。

違法な漁業、海の環境を破壊するような漁業の方法を取り締まることもこの目標に含まれます。

15.陸の豊かさも守ろう

森林、湿地、山地、乾燥地や、内陸にある淡水など、陸の生態系を守り、持続可能な方法で利用することや、森林を管理し、砂漠化に対処し、森林破壊や土地の劣化を防ぎ、再生させることを目指す目標です。

また生物多様性が失われることを防ぐため、絶滅危惧種を一刻も早く保護したり、密漁や違法な取引をなくすための対策を講じたりすることもこの目標に含まれます。

16.平和と公正を全ての人に

平和な社会づくりのため、世界中から、虐待、搾取、人身売買など、子どもに対する暴力を含む、あらゆる暴力と暴力による死を大幅になくすこと、政府や国の制度を公正にし、全ての人が平等に司法を利用することを目指す目標です。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの最後の目標は、これまでの16の目標を達成するために、「具体的な実施手段を強化し、世界の国々が協力すること」に関連するとても重要な目標です。

全ての国が目標達成に向けて国の予算を確保し、先進国は途上国に必要な資金や技術を支援し、国同士の格差を生まないルールを実施することが掲げられています。

まとめ

今回はSDGｓについて解説と、各項目について解説していきました。

先進国と途上国、そして企業と私たち個人が共に努力をしていかないことには、貧困の解消や格差の深刻な問題は解決できません。

上記の各項目の中で私たち個人ができることはないのか？と今一度考えるきっかけになると幸いです。